2024年7月20日
プリンティングディレクション

デジタルアートプリント「Solegraph(ソルグラフ)」 のご紹介

アニメ『メトロポリス』(2001/監督:りんたろう/美術監督:草森秀一)背景美術のソルグラフ
Ⓒ 2001 TEZUKA PRODUCTIONS / METROPOLIS COMMITTEE

山田写真製版所では、写真や絵画、イラストなど、高い品質が要求される小部数の印刷には高品位のインクジェットアートプリントをお勧めしています。色鮮やかな仕上がりはもちろん、豊富な出力用紙、表面加工などの各種加工にも対応しています。

長年培ってきた画像処理技術と、新しいカラーマネージメント技術が融合して生まれたデジタルアートプリント。

私たちはそれを「Solegraph(ソルグラフ)」と名付けました。  

Solegraph(ソルグラフ)の由来

「sole」は英語では「唯一の」、イタリア語では「太陽」という意味を持ちます。それに「graph(図版)」がつくことで「まばゆい美しさを持つ比類なき印刷作品」という意味がその名に込められています。 

ソルグラフに使用する機械自体は弊社オリジナルのものではありません。 
では何を持ってsole(唯一無二)とするか。 
そこには長年培ってきた画像処理技術とカラーマネジメントの知識、 
そしてプリンティングディレクター(PD)の存在が大きく関わっています

微細な色調ニュアンスを共有するために

色調整では、感覚的なニュアンスを反映しつつ、カラーフィルターやカラーチャートを活用して色の数値的な裏付けも行います

ソルグラフ制作にあたり、まずはお客様とPDとで打ち合わせを行い、イメージ通りの仕上がりにするための再現のポイントや注意点を丁寧にヒアリングします。用紙の提案なども行いながら、最適な出力方法をお客様と一緒に決めていきます。 

ソルグラフの出力に使われる大型インクジェットプリンターには10色水性顔料インクが使用されています。一般的に再現が難しいとされる鮮やかなグリーンやオレンジなどの色味も忠実に再現します。
 
また、再現処理にRGB、CMYK両方の色空間を使用できるため、幅広い色域の表現が可能です。 彩度が求められるものはRGB、ディテールの細部を調整したい場合などは画像操作性の良いCMYKを使用するなど、どちらの色空間を選択するかは原稿の色域からPDが判断します。

南砺市光徳寺所蔵の襖絵「棟方志功 華厳松」の複製

原画を正確に再現できる高度な画像処理技術は、文化財の保護にも生かされています。
貴重な美術品や文化財のレプリカ作成で、オリジナルの損傷や劣化を防ぎつつ、多くの方にその美しさと価値を共有することができるとのお声をいただいています。

自信を持って提供するスキャニング技術

アニメ『魔女の宅急便』(1989/監督:宮﨑 駿/美術監督:大野広司)背景美術のソルグラフ(左)とオリジナル(右)
Ⓒ 1989 Eiko Kadono/Hayao Miyazaki/Studio Ghibli, N

原画をデータ化する際、「撮影」と「ダイレクトスキャン」の2つの方法があります。
原画のスキャンが必要な場合、それは弊社が最も得意とし自信を持っている分野です。製版業者として創業した弊社にとって、原稿をどのようにスキャンするのかは長い時間をかけて追究してきた領域と言えます。 

原画が滑らかなのか、それとも油絵のように表面が凹凸なのかでスキャニング方法も変わります。
お客様が求めるディテールの度合いも重要な要素です。原画の特性、お客様の要望、紙の特性を総合的に判断して、最も効果的なスキャニング方法を選択します。

再現性を左右する用紙の選択

出力用紙は色調再現性に優れたものを豊富に取り揃えおり、30種類以上の中からお選びいただけます。 
原画がある場合はそれに近いものを、デジタルデータのみの場合はお客様と相談して決定します。一般的な光沢紙やマット紙はもちろん、ファンシー系の紙や和紙、プラスチック素材まで幅広いラインナップの中から、予算やスペックに応じて具体的な用紙を絞り込み、選定します。 

風合いだけでなく、求める再現性によっても用紙の選び方は変わってきます。
用紙の違いによる色再現の差異も、弊社のカラーマネジメント技術で解消できる点が強みです。 

大切にしているのは、作品本来の魅力

調整は、納得いくまで何度も繰り返し行われます
(写真内の作品:アニメ『AKIRA』(1988/監督:大友克洋/美術監督:大野広司)背景美術のソルグラフ)
Ⓒ 1988 MASH・ROOM/ AKIRA COMMITTEE All Rights Reserved.

再現するのは色だけではありません。 
PDがいつも理解しようと心がけ、大切にしているのは素材感や空気感。 
原稿となる作品が持つ本来の魅力です。 
ソルグラフにおいて「刷りっぱなし」「出たなり」はあり得ません。 
原稿をお預かりした後、PDは自身が納得するまで何度もテスト出力を重ねます。 

「まだ」良くできる。 
「もっと」原画に近くなる。 
 
色調という明確な答えがない感性の世界において、その判断を自分自身に下せるか。 
それは意外と難しい事のはずです。 
弊社がお届けするデジタルアートプリント「 Solegraph(ソルグラフ)」を是非お手に取って、
PDの色調哲学と、飽くなき情熱を感じてください。 

*ソルグラフの事例集、トピックスもご覧ください。
事例集 >>> 「デジタルアートプリント(ソルグラフ)」
トピックス >>> 「巣巣(すす)訪問」

*本ページで紹介したアニメ作品のソルグラフはRiekeles Galleryから購入できます。
https://www.riekeles.com

◆ 使用用途

絵画やイラストの複製画、写真展パネルなど用途は幅広く、その仕上がりにはアーティストやデザイナー、写真家の皆様から高い評価を受けています。 
大判出力にも対応しているため、書画や絵巻物の原寸大のレプリカ作成も可能です。 

その他、以下のような用途もございます
イベント用パネル/POP/垂れ幕/立て看板/社内大型掲示板/小部数ポスター/パース/長尺横断幕/自作カレンダー/写真拡大出力/ウィンドディスプレイ/サイン/電飾/プレゼン用高品質出力

◆ 出力後の加工

表面加工
ラミネート加工は水・ほこり・傷・紫外線・色あせなどから出力物を保護耐候性を強化させる効果があります。グロス・マットの2種類からお選びください。また、インクジェット出力に限らず、弊社のインキ刷り校正紙やケミカルプルーフプリントなどにもラミネート加工いたしますので、お気軽にお申しつけください。

パネル加工
パネル加工にはタックボードやポリパネルなど、様々な種類と用途があります。インクジェットプリントに限らず、印刷物や写真プリントにも対応いたします。目的に合わせた最適な加工をお気軽にご相談ください。

フレーム加工
パネルにフレームを取付ける加工です。アルミフレームから木製フレームまで、素材やデザイン、サイズ、カラーバリエーションを各種取り揃えております。